は じ め に
天 さんは( 当時 63 歳 )
2003年5月28日に受診した人間ドックで、
ふとしたことから前立腺癌検査も追加して受診することにしました。
その結果、血液検査で、PSA測定値 4.12 という値が出たことによって、

先生から
PSA値 4.1〜10 は、前立腺癌のグレーゾーンです。しばらく経過をみてみましょう。

といわれたことが始まりでした。
63歳とはいいながら、テニスをし、バドミントンをし、ゴルフをし、ソフトボールをしといったように、
いろんなスポーツを元気にしていましたからまだまだ癌などとは縁がないと思っていました。
「グレーゾーンです。」といわれても、

心の中では「PSA値 4.1 に対して、4.12 だったら誤差の範囲だろう、大丈夫だよ。

なんて軽く思っていました。
家に帰って、「どうだった。」といわれても

PSA値 4.1 に対して 4.12 だから、大丈夫だよ。
経過を観るといわれたが、次には下がっているんじゃないかな。


なんて、勝手に判断し、本当に楽天的に考えていたように記憶しています。

でも、このような考え方って誰も同じじゃないかと思うんです。
まさか自分が!といった気持ちがそう思わせるのではないでしょうか。
前立腺癌なんて全く考えていませんでしたから

PSA値がどうのこうのといわれても全く分かりませんでした。


先生も、多分分かってないんだろうな思われたんでしょう。

「この本を持って帰って読んでみては。勉強してみてください。」と
一冊の分厚い本を貸してくださいました。

「東京医科大学泌尿器科の医師説明補助資料、患者のみなさまへ」といった本で
パラパラとめくる程度で、分かったような気持ちにしてくれました。
でも少し分かってくるともっと知りたいという気持ちになってきます。
そこで図書館に行って、本を借りて帰り、ここから前立腺癌に関する勉強をはじめました。

ここで分かったことは、
先生が何度もいわれたことですが、

前立腺癌は、他の癌に比べて進行が遅いのだということです。

PSA値 4.12 ということと合わせて、

このことを知ったことが、落着いて対応をとれることになったと思います。


隣の県に住んでいる子どもにも連絡だけはしておこうと考えて連絡をしましたが、
子どもも落着いたものでした。

このようなとき、
周囲の者が落ち着いて受け止めてくれることはありがたいことです。

身内にとっては確かに”大変なこと”ではありますが、
本人にとってはもっと大変なはずです。

たまたま子どもは”内科”と”呼吸器内科”の専門医ですから、状況を把握し、
先のこともある程度予測できていたのかもしれません。
医師をしている子どもも至極自然に対応しますから益々のんびりしておれたのかもしれません。

その後 生検をして、

「悪性の腫瘍(癌)が検出されました。」

といわれても、

まだ小さいんだろう、小さいうちに手術をして
摘除するのが最も確実じゃないかななどと
ここに至っても簡単に考えていました。

先生は、それぞれの治療法について説明をしてくださり、
それぞれの治療法を採用するとした場合、
それを扱っている病院なども教えてくださいました。

丁度、さる大学病院での事故が表面に出た直後です。
医学だけでなく大学は、研究機関であり、教育機関でもありますが、
先端のものに取り組んで行く使命があると思っています。
一方で、学生への教育・指導もあります。
これらを総合的にいかに構築してゆくかで、
各大学の特徴が出てくると思っています。

医学系についても研修医制度を導入したら、
大学で研修をしようとする者が少なくなってしまった。
とかいったことが起きてしまいました。
至極当然のことだと思います。

患者にとっては
「大学でやりたいこと」「大学でしかできないこと」
それを選択するかどうか、選択するとしたらどこを選択するするか
といったことを考えなければならないだろうなと思います。

先生から説明を聞いている数秒間のうちにこのようなことを考えました。
手術は、本文で触れますが、先生が日頃お付き合いをしておられる
熊本中央病院の先生にお願いするのがいいだろうということになって、
熊本中央病院に紹介状を書いてくださいました。
前立腺癌手術ランキング(2002年)
(熊本中央病院は2003年には96例になっています)
                                                              (週刊朝日から
病院名 手術数 都道
府県
病院名 手術数 都道
府県
国立がんセンター中央病院 98 東京都 16 日立総合病院 39 茨城県
新村病院 93 鹿児島県 17 高松赤十字病院 38 香川県
香川労災病院 89 香川県 18 原三信病院 38 福岡県
旭中央病院 73 千葉県 18 千葉県がんセンター 38 千葉県
慶応義塾大学病院 71 東京都 20 日本赤十字和歌山医療センター 37 和歌山県
癌研究会病院 64 東京都 20 市立札幌病院 37 北海道
虎ノ門病院 55 東京都 20 公立豊岡病院 37 兵庫県
熊本中央病院 51 熊本県 23 NTT東日本関東病院 35 東京都
大阪府立成人病院 50 大阪府 23 船橋市立医療センター 35 東京都
10 東京大学病院 48 東京都 23 東京女子医科大学病院 35 東京都
11 島根大学病院 47 島根県 23 長野市民病院 35 長野県
12 住友病院 46 大阪府 23 三樹会病院 35 北海道
13 鹿児島市立病院 45 鹿児島県 28 仙台社会保険病院 34 宮城県
14 国立病院九州がんセンター 42 福岡県 29 八戸市立市民病院 33 青森県
15 兵庫県立成人病センター 40 兵庫県 29 東海大学病院 33 神奈川県

そして、
2004.03.25に熊本中央病院に入院し、

2004.04.01に前立腺全摘術 (手術時間2時間弱) を行い、

術後の経過は順調で、

2004.04.19に退院することができました。


術後約2週間で退院でしたが、熊本中央病院ではこれが一般的なようです。

そして

尿管を外した翌日から尿漏れもありませんでした。


尿の勢いがイマイチかなという日が入院中2週間弱ありましたが、
退院するときには、かなりの勢いで出ていました。
心配なことは、
全摘をしても 2 割は、再発の可能性があります・・・
といわれたことです。

前立腺があるうちは前立腺を摘除すればよいかもしれませんが、
なくなってしまうとさらに摘除ということは選択肢としてありません。
これからの方が今までより不安を抱くことになります。
食事や生活習慣に伴う環境要因に配慮しながら再発させないように
頑張ってみようと考えています。
これがこれからの大きな課題です。

これからは、ホームページの中で、
これらについても紹介してゆきたいと考えています。
今回ホームページで、天 さんの経験を紹介しようと思ったのは、
これから先、どのような経過をたどるか分かりませんが、

天 さんの場合、非常に早期に発見できたために、限定して摘除ができたこと、

熊本中央病院で、入院時に渡された「入院診療計画書」通りに、
しかも本などで紹介されていることよりはるかによい方向で全摘除術が行われていることなどを

健全な方には早期発見のための前立腺癌検診を呼びかけ、
不幸にも前立腺癌の疑いがあるといわれた方へは
経験したことをできるだけいろんな情報を交えて紹介するべきだと思い立ったからです。
紹介しなければならないと考えたこと
前立腺癌全摘徐術が
いわれているほど負担が大きいものではありませんでした
といったことを知っていただくために

入院中の状況をできるだけ詳細にお伝えすることにしました。
多分、術前、術後にどのようなことがどのように行われているか
知っていただけるのではないかと思います。

次に、
「全摘徐術は尿漏れ(尿失禁)が大変だ。」
といったこともよく聞きます。

先生に「この手術で尿失禁はなぜ起きるんですか。」とお聞きしました。
その中のひとつに「尿道括約筋に傷をつけると起きます。」ということがあります。

天 さんの場合は、尿漏れ全くなし、
一緒に入院していた人たちも全く同じでした。
毎週数人の人たちが、次々に入院し、退院してゆかれますが、
全くといっていいくらい同じ予定で、同じような経過をたどられます。

天 さんが思うに、
日本においても前立腺癌の症例が増えてくると
いろんな研究がなされ、技術も向上し、尿漏れも少なくなってきている
のではないかなということです。
前立腺癌の発症率は、
1975年を1とすると、既に約3倍になっており、
2015年には約4倍に増えると予測されているそうです。
将来は、古典的になるのかどうか分かりませんが、
前立腺癌全摘徐術の現状をお伝えできればと思っていますが、
これはどの病院でも全く同じとは限らないと考えます。
また、個人の状況でも同じようにはゆかないとも思いますから
よくお調らべになられて、対応していただくようにお願いいたします。
・是非、早期発見に努めていただきたいということ

・特に前立腺癌の疑いを持つのは、泌尿器科の専門医とは限りませんから、
 泌尿器科の専門医との連携をよくしていただくこと
 (他の要因で受診し、折角前立腺検査の機会があったのに、見過ごされたりすることがないように)

・そして、最近の手術の状況についても専門の病院によって、
 大きな差が生じているようにも感じられましたので、 先生とよく相談されて対応を選択されること

・年々治療法に新たな技術が導入され進展していること

などを私のことを参考にしていただきながらお伝えできれば幸いだと思います。
図などA第一病院の先生に見せていただいた
東京医科大学泌尿器科の医師説明補助資料、患者のみなさまへ 

大変分かりやすかったので、利用させていただきました。
内容、使い方など 大学とはいっさい関係ありませんので、
大学への問い合わせなどなさらないようにお願いいたします。
                                                 退院したばかりの 2004年4月20日
                                                  (入院中に64歳になりました(^_^))
                                                   H..N 天 さん( Ten さん )    
                                                 
      
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