インフォームド・コンセント |
多分これがインフォムド・コンセントだと思いますが、今回実施していただく「前立腺癌」の手術について、とても丁寧に、詳しく説明してくださいました。
必ずしも正確に表現できていないかもしれませんが、その点は、ご理解いただいて参考にしていただければ幸いです。 |
手術名:
前立腺全摘除術+リンパ節郭清 |
前立腺全摘について |
先生が書きながら説明してくださったのを
天 さんのイメージも入れて書き直したものです
先生の絵ではありませんので、思い違いのないようにお願いします。 |
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へその下の方を切り開きます
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切ったところはステープラーで止めます。
ステープラーは、ステンレス製で、ホッチギスの
針状のものです。
ステープラーを使うことによって
・感染し難い
・後がきれい
・手術時間が短くて済む
といった、長所があるそうです。
(7日目に半抜糸、8日目に全抜糸します)
背中からチュブを入れ硬膜外麻酔をします。
(3日目に抜きます)
尿道カテーテルは7日目に抜きます。
内部の縫い目のところに集まってくるリンパ液
などのきたないものが溜まらないように
チューブを入れて抜き出します。
(出てくるドレーン量を測って出てこなくなったら
チューブを抜きますが、2〜4日目くらいに
なります) |
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リンパ節郭清について |
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前立腺癌は、リンパ節に転移しやすい。
大動脈→総腸骨動脈から分岐している内腸骨動脈の周囲に
ある内腸骨リンパ節、前立腺の左右にある閉鎖神経リンパ節へ
転移することが多いので、これらのリンパ節を郭清します。
(多分、外腸骨リンパ節も郭清されていると思います)
前立腺前面、内骨盤筋膜周囲の脂肪を取り除きます。
郭清したものは、転移しているかどうか術後に組織検査をします。 |
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右側勃起神経切断 |
右側勃起神経の切断の必要性について |
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勃起をコントロールする神経は、前立腺皮膜のすぐ外側を
通っています。
左下の骨盤底断面図のような状況です。
(神経血管束を温存する場合は、注意して剥離しなければ
なりません。天 さんたちからみるとすごい技としか思えません。
先生たちは、こんなことをひとつひとつ確実にされておられると
思えば、ただただ感謝です。)
前立腺の腫瘍が占める位置、割合などから癌が
広がっている危険性があれば、切断するのが原則です。
今回は、腫瘍が右側だけですから右側は、切断します。
左側には腫瘍がありませんから残します。 |
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手術に伴う危険性、合併症 |
出血 |
前立腺の前面には静脈叢といって多数の静脈が広がって取り囲んでいます。
手術では、この静脈を切断するため、ある程度の出血があります。このために自己血800Lを準備していますが、
不足する場合は、日赤から血液を取り寄せて輸血をすることもありますが、ほとんど足りるでしょう。 |
直腸穿孔 |
前立腺の後面には、数mmの脂肪層を介して直腸がありますから、癌の進展などによって前立腺を剥離する
際に直腸に傷をつけることもあり得ます。
この場合は、一時的に人工肛門の可能性もあります。 |
尿失禁 |
吻合部の肉が盛り上がり尿道断面積が狭くなり、排尿困難になる可能性があります。
この場合は、尿道拡張術を行いますが、それでも一時的にしか直らない場合は、内尿道切開術の
可能性もあります。 |
ED |
勃起障害 |
感染 |
細菌による感染で、肺炎や手術を行った局所の感染の可能性があるため術後に抗生物質を使います。
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その他 |
骨盤部の手術では、下肢の静脈の流れが停滞するため、術中に血栓が生じて、
術後に肺へ移動して肺塞栓症を起こす可能性があります。
このために、下肢にストッキングをはくことで予防します。
アレルギーショック、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症、不整脈など |
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その他予後の見込みなどについて説明がありました。 |
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