前立腺癌の進行(進み具合)の表し方
前立腺癌がどの程度進行しているのかということ、患者としていえば、どの程度悪いのかということは、とても気になることです。
前立腺癌の進み具合の表現の仕方について、どのような表現をしているのか、それはおおよそどのようなことなのかをまとめてみました。
表現の仕方など正確にいえば間違っているところもあるかもしれませんが、その場合は教えていただければ幸いです。
前立腺内部の呼び方と癌との関係図
前立腺の内部は、尿道が通ってる内側に内腺があり、内腺の外側に外腺という部分があります。
最近では、内腺をさらに中心ゾーン(中心領域)と移行ゾーン(移行領域)に、
外腺を辺縁(へんえん)ゾーン(辺縁領域)と3つの部分に分けて呼ぶこともあります。

一般的には、前立腺癌は外腺(辺縁領域)に、
前立腺肥大は内腺(移行領域)に起こりやすいといわれています。
内腺が肥大すると尿道を圧迫しやすくなり、前立腺癌の初期には排尿障害が分かり難いと
いうのはこのようなことから理解できると思います。

前立腺癌については、必ずしも辺縁領域だけでなく、その他の領域にも発生することがあり、
この場合は、直腸診では分かりにくいといわれています。
「悪性度(グレード)」
悪性度を「分化度」で分類する
低分化腺癌 中分化腺癌 高分化腺癌
最初に「分化」とはどのような意味か調べてみました。
「腫瘍細胞が、組織や器官の正常細胞に近いものを分化した腫瘍」といいます。

「高分化」というと発生した組織の正常細胞にきわめて近いものをいい、
「低分化」というと発生した組織の正常細胞とはかけ離れたものをいいます。

「中分化」はその中間だということになります。
患者にとっては、「低分化癌」より「高分化癌」の方が、予後はよいだろうといえそうです。

つまり、分化度は低いほど浸潤、転移をしやすいといわれています。
悪性度を「グリソン・スコア(Gleason Score)」で分類する
「日常診断学のための
泌尿器科診断学」より

パターンVは、A,B,Cの3つの
亜型からなり、
パターンWもA,Bの2つの亜型
に分類されます。
前立腺癌を組織の状況と浸潤の状況からT〜Dの5段階で表し、

最も多くの面積を占める組織像とその次の組織像をそれぞれスコアで表して
合計したものをグリソン・スコアといいます。

もっともおとなしいものは、1+1=2 になり、
もっとも悪性のものは、5+5=10 になります。

点数が大きいほど悪性度が高いということになります。

一般的に、グリソン・スコア 6以下はまずまずおとなしい癌、
8 以上は、かなり悪性の癌とされているそうです。

前に書いた「分化度」との対応は、
分化度 グリソン・スコア
高分化 2〜4
中分化 5〜7
低分化 8〜10
前立腺癌の病期(ステージ)
Jewett Staging System による分類
ステージ  
病期A 前立腺肥大症として手術されて「癌が偶然に見つかった」もしくは
PSA高値で生検して「癌が偶然に見つかった」状態
    A1 : 限局性・高分化
    A2 : 中分化以上あるいは複数の病巣が存在 
病期B 癌が前立腺内のみに存在し、「外に出ていない状態」
    前立腺内に限局した癌
    B1: 片側(片葉)に限局した単発性
    B2: 両方(両葉)に癌が存在する
病期C 癌が前立腺から少しだけ「外に出ている」が、転移がない場合
前立腺を越えているが周囲にとどまっている状態、
    C1: 皮膜外に浸潤しているもの
    C2: 膀胱頚部に浸潤あるいは尿管の閉塞しているもの
病期D リンパ節や骨などに転移がある場合
    D1: 所属リンパ節(内腸骨リンパ節、外腸骨リンパ節、
       閉鎖リンパ節)に転移したもの
    D2: 所属リンパ節以外のリンパ節転移、骨その他の臓器へ
       転移したもの
    D3: D2対し治療後ホルモン不応性になり、
       PSA値再上昇したもの
TNM 分類
TNM 分類は、「 T: 癌がどのくらいの大きさになっているか」
「N: 所属リンパ節にどの程度転移しているか」
「M: 遠隔臓器への転移はあるか」
の3つの要素で決められます。
Tx 原発巣の評価が不可能  
T0 原発巣なし  
T1 触知不能・画像診断不可能な癌
T1a: TURPで切除標本の5%以下
T1b: TURPで切除標本の5%以上
T1c: PSA高値で診断された癌
T2 前立腺に限局する癌
T2a: 片葉に限局する癌
T2b: 両葉に浸潤する癌
T3 皮膜を越えて浸潤する癌
T3a: 皮膜外へ浸潤する癌
T3b: 精嚢へ浸潤する癌
T4 精嚢以外の隣接臓器に浸潤する癌  
Nx
N0
N1
所属リンパ節転移の評価が不可能
所属リンパ節転移なし
所属リンパ節転移あり
 
Mx
M0
M1
遠隔転移の評価が不可能
遠隔転移なし
遠隔転移あり
M1a: 所属リンパ節以外のリンパ節転移
M1b: 骨転移
M1c: リンパ、骨以外の他部位への転移
    
 
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